ぬまのつぐみ

おもにサウナで気持ちよくなったことを自慢するブログです

天神の湯

月夜野焼という、なんともググッとくる名前の焼き物がある。群馬県みなかみ町に併合された、旧月夜野町の名産物だ。

 ぼくは焼き物に詳しいわけでもなんでもないが、群馬のAckieのところへ遊びに行くので、彼の車で連れて行って貰おうと思っていた。

 が、いざ起床したら、すでに集合時間となっていた。3時間ほど遅れて群馬に入国。

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(腹たつほどに快晴の高崎駅前)

 

 A「今日はなにしたい?」

 わ「月夜野焼の窯にいきたかったけど。」

 A「まあ、遅いよね。」

 わ「・・・すいません」

 A「俺は軽井沢でも行こうと思ってたけど、もう無理っぽいよね」

 わ「ほんと、すいません」

 

時刻は16:00。とりあえずコーヒーを飲みまくる。

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桐生市まで車を走らせて20分ほど。1軒目は伊東屋珈琲へ。

 

 A氏は根っからのプレス好き。彼にエスコートしてもらう珈琲屋は、決まってプレス珈琲が美味しい店ばかりだ。ドリップに比べて、プレスを提供しているお店が少ないのに、よくもまあ見つけてくるものだ、といつも感心している。

 

 この伊東屋珈琲は、とても美味しいプレス(350mlくらい)を安価で出してくれた。しかも豆はスペシャリティだ・・・マグカップ2杯半のスペシャリティコーヒーが450円。東京なら1000円近くはするだろう、正直いって破格の値段だ。珈琲を持ってきてくれた綺麗なネーちゃんに訊いてみると、店舗は新潟の古民家を移動してきて改装したものらしく、内装も落ち着ける雰囲気。

 「群馬スゲェ・・・」とぼやいていたら、「知らないだけでお前の周りにもあるはずだ。とにかく車を買って探検するんだ。その前にお前は免許だな」と、ぐうの音も出ない正論でA氏に捻り潰される。

 

続いて2軒目は、前橋まで移動して、ダンディなマスターが経営していたお店へ。

robsoncoffee.net

こちらも、プレス抽出のスペシャリティコーヒー。こちらはさらに飲みやすく、プレス独特の感じも失われず。サンドイッチもうまかった。

 

高崎まで戻って夕飯。A氏が「自分へのご褒美のときのお店」という居酒屋へ。

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居酒屋和人良(わじら)、これまたイケメンなマスターがやっている。長髪を結って作務衣だ(ほんとにかっこええ)。店内は高級感が漂い、群馬なのに(失礼)刺身が美味しい。ほかにも、フキノトウの天ぷら(これは即決)や、サバと梅の揚げ物などなど。全部美味い。

 

お腹も膨れ、眠くなってきたので今宵の宿へ。

tenjinnoyu.com

高崎と前橋の境あたりにある、スーパー温泉に到着。ここのすばらしいところは、源泉かけ流しがあるところ。温度は46-48℃と高めで、身体中がビリビリする。その代わり、芯まで温まる。 さらに、サウナと水風呂が外にある(!)。

 サウナは遠赤外線のストーブ式で、温度が90℃ほど。発汗良し。水風呂は20℃くらいか、ややぬるいけれど、冷たい外気と相まって最高だ。源泉とサウナ、水風呂を組み合わせて5往復ほど行き来し、そのまま外のベンチに腰掛ける。この日は雲ひとつなく、あまりにも綺麗な満月だった。

 

 仮眠室でA氏と横になる。うとうとしていたときに、漫画棚から伊藤潤二傑作選を発見してしまい(じつはあまり見かけないのだ)、読んでいたら朝になってしまった。少し寝てから朝飯・朝風呂を堪能し、退店。宿泊費込みで2200円。

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(天神の湯外観。まわりはのどかな風景だ。ばあちゃんたちが散歩をしている。)

 

今日はなにしようかと思案していると、

 A「焼き物がどうって言ってたよね」

 わ「うん」

 A「前から気になってるところがあるから、そこにいこう。」

さすがAckie:世界の珈琲と日本のやきもの - 大和屋(ここまで完璧なエスコートされたらもう惚れちゃう)

 大和屋は珈琲も飲めるし、珈琲器具はめちゃくちゃあるし、なにより全国の焼き物がアホみたいに揃っていた。試飲をしながら店内をまわる。

 通常、焼き物メインのお店は高齢の方ばかりで、しかもあまりお客さんが多くもないのだが、このお店は家族連れで賑わい、小さい子たちが陶器を壊さないかとこちらが心配になるほどに混んでいる。もちろん陶磁器の品揃えもすごく、北海道から沖縄まで、作家単位で展示されている。焼き物のセレクトショップみたいなものか(追1)。

 1時間ほど彷徨き、群馬のやつをひとつ購入。すると、レジの上品な女性がお茶を点ててくれる。こりゃすごいサービスだ(しかも煎茶なのに美味い)。そのまま大和屋の隣の珈琲屋あしびへ。

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ここはサイフォン式の珈琲で、値段もお手ごろ。もちろん美味しい。なにより、店内がこれまた落ち着ける空間。A氏は「いいとこみつけちゃった」と一人興奮している。

 そのまま歩いて麺屋大谷へ。博多ラーメンを食べてから大和屋へもどり、今度はA氏のマグを求めて店内をブラつく。

 A「こっちのマグは佐々木希

 わ「こっちの湯のみは木村文乃?」

 A「これは木村文乃じゃないでしょ!あーでも迷うわ・・・」

端から聞いたら哀しすぎる会話で2時間も経っていた。結局、彼は北海道のまるっこい湯呑を購入。

 

大和屋を出発しドライブしていると、豆屋を発見。

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Malidon coffeeというらしい。覗いてみると中に人はおらず、店舗正面の建物からオカミさん登場。どうやら自宅の正面に店を構えているようだ。

 

 わ「おためしで、とりあえずホットコーヒー2つください」

 オカミ「好きな豆選んでいいよ。ぜんぶ100円で淹れてあげる」

 A「まじすか」

 

 気さくなオカミさんとしゃべりながら店舗前で飲んでいると、犬を連れたおばあちゃんが現れる。1日2回、犬の散歩がてら店に立ち寄って飲んでいるという。

 わ「この子(犬)は何歳ですか?」

 おばあ「もう15歳。あたしは70すぎよ。二人でババアだからフタバよお」

しばし立ち話をし(案外こういう時間が貴重だったりする)、豆を買ってお店をあとにする。

 前橋市街まで車を走らせ、さらにRobson 2号店で珈琲を飲み、商店街を探索。

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(地方都市はどこもおなじようなものなのかしら。味があるともいえる)

 

最後は高崎駅まで送ってもらい、A氏と解散。彼に頼りっきりな、すごく贅沢な2日間だった。

 

追記1)手前勝手なポリシーで、出先では酒でもなんでも、なるべく現地のものを買うようにしているのだけど、この店ばかりは目移りしてしまう。こうして、全国のものを並べてみるのは初めての体験だった。いくつか気に入ったが、老後の楽しみにとっておきたい気もする。というか、うちの貧相な食器棚がもう限界間近か。というか、うちの8畳自体がもう手狭になってきた。嗚呼いとまどし。

追記2)なんか、全体的にA氏といちゃいちゃした日記みたいになってしまった。

追記3)最近見つけた読書猿さんのブログのクオリティがすごすぎる。記事ひとつひとつの内容が濃く、これで700記事以上って、この人化け物か。しかもアカデミア所属じゃなく、個人研究者かもしれない。世の中広いなあ。

readingmonkey.blog45.fc2.com

 

追記4)東日本大震災からもう6年か。この日は、岩手日報の記事が話題になっていた。

コロナの湯

M本の出産祝いということで、Ackie、Kっちゃんと僕の三人で仙台へ向かう。

この四人は中学から遊ぶ仲で、20代になっても信じられない頻度で会い続けている(ある種の惚気だ)。僕らのなかで子供が生まれるなんて、中学のときは想像もつかなかった。

 

三人で新幹線に乗り合わせ仙台へ。すこし奮発して、仔虎でお高いご飯を食べる。

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今日はお祝いの席だ。財布を気にせず特上をしゃぶしゃぶにぶち込みまくる。めちゃくちゃ美味かった。

 

僕らは風呂が好きだ。盛岡で会う時も、東京で会う時も風呂に行くことが多い。ということでコロナの湯へ。

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ここはボーリング場やカラオケなども併設されている総合型アミューズメント施設だ。風呂とボーリングのセットがあったので、腹ごなしにボーリングをした後、コロナの湯へ。

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湯船でグダグダ喋ったのち、一旦着替えて岩盤浴へ。

 岩盤浴は久しぶりで、そこまで暑くも無いので30分くらいは平気で居れてしまう。サウナと違い、内臓の動きが活発になっているような気がして、とにかくお腹が鳴ってばかりだった。サウナのような辛さも無く、発汗量が多いから人気なんだろうなあ。

 汗を流しに再度浴場へ。ここの水風呂がまたすごくいい。16.7℃(表示)で、胸ほどの水深。何度でも出入りしたくなる。最後にサウナに入っていると、閉店時間。

 

 この後もM本宅で一泊し、終日四人でグダグダと過ごす。僕は毎日休日みたいなもんだが、他の三人は仕事に就いているため、こうした時間も貴重になってくる。次に四人で会えるのはいつだろうか。

 

コロナのサウナもよかったが、親しい友達の出産は、僕らにとっても幸せなものだった。

ユーランド鶴見

とうとうシングルに挑戦する日がやってきた。シングルは一桁温度の水風呂だ。

極冷の水風呂に浸かりに、神奈川県は川崎までのこのこやってきたのだった。

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川崎は5年前の出張以来。あまり縁が無い土地だが、SOTさんのおかげで、関東にシングルがあることを知る。

 

JR駅からバスに乗り、目的地を目指す。

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僕のような田舎者からすると、神奈川県は都会全開のイメージだが、川崎は地方都市的な風情を残している。

車窓を覗いていたら10分ちょいで到着。ユーランド鶴見だ。

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受付で「初めてです」と告げると、やさしく解説してくれた。90分入場とタオルセットで1000円也。(館内はおじさんのカラオケが鳴り響き、職員とおばあさんが親しげに立ち話をしている。)

 浴場に入ると、平日昼間だからだろう、客層の平均年齢は70歳近い。(完全に浮いとる・・・昼間からぷらぷらしてる若者だと思われる・・・実際そうだけど・・・)。つくりとしては、よくあるスーパー銭湯。身体を洗い湯船で軽く汗を掻く。

 

 まずはサウナ前に、お目当の水風呂へ行く。9.5℃の表示。(ま、正直あんま変わらんだろ・・・)と思って足を入れる。浴槽の奥へ行こうと水の中を歩くと、足が痛い。とにかく痛い。(だめだ、歩けねぇ)。「はいー」と声に出しながら腰を下ろし、勢いで肩まで浸かる。呼吸を整える。10秒しか入れなかったが、腰も気道もキンキンだ。

 サウナ室を開けると、これまたすごい熱気。水風呂に一度入ってるのに、尻が熱くて、座るのに難儀だ。温度計は95℃を示しているが、僕の知ってる95℃ではない。しかし不思議と苦しさは感じず、ぼたぼたと汗をかきながら金正男氏のニュースを眺める。

 退室し、扉横の打たせ湯で汗を流してから水風呂へ。ここから本領だ。水風呂へ一気に入り、後頭部まで浸して脱力・・・できない。浅い呼吸で、身体を慣らす。水風呂の中に座ること以外、なにも考えられない。なんとか土左衛門化すると、すでに目の前が焦点合わなくなってきた。いかん。

 外気スペースに脱出。ベンチに座り、力を抜いた瞬間に身体がぐったりと椅子と同化する。目も閉じれず。一ミリも動けず。(やだ・・・なにこれ・・・これすごい・・・)

 一往復で昇天してしまったが、再びサウナ室へ。まだまだ、もっとすごい世界が待ってるのでは無いか、と期待せざるをえない。あっついサウナ室は、自然と思考が無になるものだけど、その状態を維持するのは努力が必要になる(追1)。というか、そうしないとこの部屋で長く座れない。

 粘りに粘って、シングルへ突入。ここまでくると、なにがなにやらわからない。自分の身体がただ重いだけになる。よたよたと外気浴スペースへ。目を閉じるも、半眼にしかならず。

 

 ああ、これは、すごい世界だ。

 

***********

帰りは演歌のかかる送迎バスで鶴見駅まで送ってもらう。

ユーランド鶴見は、シングルが注目されていたが、かなり熱いサウナとセットだからこその大昇天なんだろう。

一見するとおじいさんおばあさんの平和な健康ランドだが、どこかのサウナーが書いていた「泣く子も黙る健康ランド、ユーランド鶴見」というフレーズは本当だった。

 

(追1)高温サウナは「何も考えない」状態になるのは簡単だが、「何も考えない」を維持するのは他所と同じで難しい。こういうときよく思い出すのだが、大学時代にやった座禅の授業で住職が言っていたことを実践すると、暑さも気にならなくなる。

 少しだけ書かせてもらうと、あの授業は僕の大学で最も価値のある授業の一つだった。講師は曹洞宗藤田一照先生で、他の禅体験と異なり、とてもわかりやすくレクチャーを施してくれた。先生自身、東大大学院の哲学科を中退して禅の道に入った方でもあり、教えるのが上手だったのだろう。最初は、簡単なレクリエーションで身体の力を抜く方法だった。これだけで1日使った。次のステップは脱力のなかで身体のバランスをとる方法だった。これは骨格と頭の重さ、筋肉の重さを意識することだった(と覚えている)。最後は禅の実践だった。そこまでで教えてもらった身体の認識を意識しながら、正しく座ろうとしているだけで数時間があっという間に過ぎた。

先生「本当はここからが本番なんだよね。なんで座らなきゃいけないんだろう、とか、自分はどうしてこんなことを始めたんだろう、と考えはじめてからなんだ」

と、小柄な先生がニコニコと喋る姿は未だに思い出される。

 この先生なら通いたいなあ、と思ったが、当時はアメリカのお寺に居たので会う機会も無く。先生の著書を購入して、サインして貰うくらいしか爪痕を残す方法が思いつかなかった(なんとも貧しい脳みそだ)。あれから禅に興味をもち、何度か経験してみたが、藤田先生が一番感動したなあ。(と思って久しぶりにググったら、日本でいろいろ活動されているようです)

 話は戻るが、まあ、正直サウナと禅を結びつけると怒る人も多そうだけど、しかしあの暑い空間で綺麗な気持ちを保つならば、少しは似通ったところもあるのでは無いかしらん、と思うのですよ。気持ちを綺麗にしたくて通っているわけですし。

 それで、暑ければ暑いほど、意識を集中する本気具合も必要になってくるわけで。そういう意味で、ユーランド鶴見のサウナは、一つの自分との戦いだった。

アパホテル幕張

チャールズとの用事があり、千葉に泊まる機会があった。

海浜幕張駅から強風吹き荒れるなか歩くこと5分。アパホテル&リゾート・トーキョーベイ幕張が見えてくる。

www.apahotel.com

この辺は手頃なサウナがあまり無いのだけれど、このアパホテルはものすごい風呂の量なのだ。

風呂は全部で5種類もある。そのうち、サウナを完備しているのは飛翔の湯(そのなかに白砂、星彩の2種類がある)と若紫の湯。若紫の湯は女性専用浴場なので、白砂か星彩を目指す。この二つは、時間帯で男女が入れ替わるようだ。

このアパは空港が近いようで、ロビーにはパイロットやCAさんが多く歩いている(彼らのような人種は煌びやかで眩しい。パイロットになったゴマは元気だろうか)。

 

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この時間は星彩の湯が男湯だった。浴室に入ると、湯船でクロールをかましている青年が一人だけ(邪魔してごめんよ)。ロビーの混み具合の割には空いていた。

ここは湯船が数種類と、広々とした露天風呂がある。露天は照明が綺麗で、寒いなか立ち上る湯気が幻想的だ。この湯気をぼうっと眺めながら浸かるだけで幸せな気分になる。

さてさて、サウナは、と探すとミストサウナだった・・・いや、ミストサウナ嫌いじゃないけどね・・・。一応小さいながらも水風呂が完備されている。サウナは、もう少し湿度か温度が欲しかったところだけれど、まずまず。水風呂も20度ほどだろう、少しぬるいけど、サウナと水風呂を粘り強く往復すると心地よい。

 

時間をズラし、白砂の湯が男湯になったタイミングで再突入。こちらはドライサウナだが、温度が少し低めか。でも、ここも湯船の種類が多くて楽しめる。他の風呂も入ってみたかったが、それはいつかの楽しみにしておこう。

ちなみにアパグループなので、宿泊料金は良心的。それでこの風呂の数は素晴らしいとしか言いようが無い。

湯楽の里

夜勤中にムラムラきた。

「サウナに・・・サウナに入りたい・・・」

夜勤明けに原付で土浦へ。

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(腹立たしいほどに快晴)

 

幹線道路を避け、田んぼ道を走ること三十分。目的地に到着。

 

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今日は湯楽の里土浦店だ。入浴料とタオルセットを合わせても1000円以下。平日昼間だというのに、なかなかの混み具合だった。

 

浴室出入口に近い洗い場に陣取ると、ロン毛のお隣さんが貞子状態で洗髪中。(綺麗な黒髪だなあ)

頭と身体を洗って内湯に浸かる。洗い場のほうを見ると、さっきのお隣さんはまだ貞子状態であった。(髪が長いと大変だな・・・)と思っていると、顔を上げて髪を結い、そのまま水風呂へ直行する貞子。

 

(貞子サウナーかよ・・・俺もサウナ行くべか)

 

水風呂で歯をくいしばる貞子・・・の顔をチラッとみたら、近所のセブンの兄ちゃんだった。(以前のブログでも書いたぐらいには仲良し)

 

話しかけようと思ったが、彼も仕事終わりで風呂に入っているわけで。勤務先の客なんぞに話しかけられたら営業モードにさせてしまうかしら・・・結局人見知りが発動して喋れず。

サウナ自体は、よくある高温乾燥型のサウナ。水風呂も18度ぐらい。外気浴スペースもあり、文句なし。1時間ほど居座って退店し、昼から登校した。

 

深夜4時ほど、帰宅途中にセブンに寄る。居た、貞子の兄ちゃんだ。

 わ「今日湯楽の里に居ませんでした?」

 兄「居ましたよ〜。お兄さんも居ました?話しかけてくださいよ〜」

いつもの爽やか笑顔で対応してくれる兄ちゃん。

 彼は週2, 3のペースで通っているらしい。他の客も居ないので(失礼)、しばしの間、この界隈のサウナ事情を立ち話し。普段から喋っていると気持ちの良い兄ちゃんなのだが、サウナを話題にして更に仲良しになれた気がして嬉しい日だった。

サウナセンター大泉

浴場の扉を開けた瞬間に「今日は大昇天の予感。」と感じるときがある。

 

この日のサウナセンター大泉は、まさにそうだった。身体を洗っている時から静かに興奮し始める。いつもより更にじっくり身体を洗い、湯船で身体を温める。早まってはいけない。

 

ドキドキしながら、(実際はじめてサウナに入るくらいに緊張しながら)扉を開けると、むわっと熱気が身体を包む。いつもと違う、まとわりつくような蒸気だ。

 

最上段に座って姿勢を正し、じっと窺う。いつも以上に熱気の密度(?)が濃く感じる。身体の表皮隅々まで温めてくれている感覚だ。五分ほどでとりあえず退室。

 

汗を流して、1度目の水風呂。後頭部まで浸かって浮遊する。水風呂での脱力が、この日はじつに上手くいった。体育座りに直し、水面をぼうっと眺める。

 

身体の水分を軽く拭いてから2回目のサウナへ。身体は爽やかに上書きされているため、サウナの熱気をじわじわと味わえる。吐く息は、まだ水風呂のおかげで冷たい。

 

(やっぱり今日は、もしや)と思いながら、身体の熱くなっている部位を意識していく。肩、肘、手の甲、足先、背中、腰・・・そのうち、ぼたぼたと一気に汗が吹き出てくる。大きく深呼吸して、ストレッチ。

 

10分ほどで退室。じっくりシャワーを浴びて2回目の水風呂へ。同じく土左衛門と化して天井を見つめていると、じつに五分ほど過ぎていた。(いかん、これは浸かりすぎた)と思いながら浴槽をでると、浴室内の気温がすでに暖かく感じる。心なしか、腰に力が入らない。

 

3回目のサウナへ。腰かけて姿勢を正したら、蒸気に包まれ身体が温まりはじめる。安心感に包まれるようで、これがじつに心地よい。(もう何も考えられない)。まったく動けず、気付けば汗が噴出していた。

 

水風呂にはサクッと浸かり、浴槽脇のベンチに腰掛ける。力を抜いた瞬間に訪れる身体の痺れ。身体中のセンサーを切るように努力して、さらなる多幸感を目指す。頭蓋の重さを感じるようになったら、昇天。

 

やっぱり今日は、最高のサウナだった。

 

(追記)

最近足立区がアツい(勝手に)。この日は足立区に用事があり、足立区の防犯を学ぶこととなった。防犯とは関係ないが僕は元来、被差別集団に興味があって今の研究を続けている節がある。自然とこの日も、足立の歴史を触れることからはじまった。

 足立区は武蔵野国足立郡を前身として、江戸の頃より日光街道および奥州街道が横たわる交通の要のひとつだった。 当時の第一宿「千住宿」を擁したことから千住区域が繁華街として栄え、現在も北千住駅周辺にその名残が伺える。

 そもそも足立区は被差別部落としての一面があったようだ(川本・藤本 1984)。それは荒川・墨田川に挟まれていること、また歴史的繁華街である浅草および吉原の郊外にあたっていたことからも想像に難くないように思う。もとより河川敷という場所は、足立区に限らず、屠殺や皮革業を生業とする人々が集まりやすい場所だった。 1890 年には、荒川に行政屠場が設けられ、 のち1913 年には各地の屠場が吸収合併されたのだった(西井 1987)。1923 年の関東大震災を機として、浅草をはじめとする繁華近隣より被災民が流入し、結果として皮革業や在日朝鮮人が集中して定住化したことで スラム街化したようだ。このへんは、代表的な被差別地域(京都の崇仁地区など)と似たような特徴が伺える。

 東京都は歴史的に、都内での部落の存在を認めない立場をとってきたようだが、部落解放同盟足立支部が現在も残っていること、また教育関連団体が足立区に対して解放同盟の扱いについて交渉を行うなどしていることから(教育正常化推進ネットワーク 2015)、被差別地域と足立区の関連はあながち間違いでもないのだろう。このような歴史的背景が大きな原因とは限らないが、ひとまず足立区の犯罪件数は都内トップを独走していたのも事実だ。ちなみに、ついで2位は新宿などの都会だ(警視庁 2015)。

 僕の研究対象は日本ではないためこのような話は全く生きないわけだけど、世界にはもっと極端な例が存在する。たとえばルワンダのツチ・フツ族が有名だ(注1)。このジェノサイドはたった100日間で国民の1割が亡くなってしまったあまりにも有名な事例だ。ここで注目すべきはラジオ・プロパガンダの役割で、ラジオが扇動しまくったせいでフツ族の闘争心に火がつき、昨日まで友達だったお隣さんが排除対象となった点である。人間がもつ他人への評価なんて、あまりにも脆いものだなあと考えさせられる(注2)。

 ルワンダ虐殺ではなくても、探ってみるとこのような集団間対立は、世界のじつに多くの場所で起こっているのである。アフリカの歴史は高校の教科書にはあまり出てこないが、つまりそういうことかも知れない。もちろん欧州にもこのような対立は存在するが(イングランドアイルランド過激派みたいな)、こういう部分は教わらないしニュースにもなかなか取り上げられない(注3)。しかして実際はみな心のどこかで、意識せずとも差別的感情の萌芽をもっている。たしかホワイトカラーにその傾向が強いって研究があったが、忘れてしまった。

 酔っ払ったので勢いで書いたけど、つまんない話でごめんなさい。

 

(注1)第一の例は欧州の奴隷貿易だが、その話はおいとく。しかし近年、Nathan Nunnが奴隷貿易の研究を、Histrical impact evaluationで行っていてめちゃおもろい(たとえばこれ

(注2)僕の専門は思想などではないので、これ以上の考察はできませぬ。先日、社会学の学生と喋る機会があったけれど、思考体系がまったくつかめなかった。だれかおせーておくれ。。。

(注3)先日NHKで知ったが、スポンサーに頼らないメディアが注目されているようで。つまりはニュース内容に偏りや思惑などが存在しない、ということらしい。(芸能人のスキャンダルなんか報道しない!って言ってたけど、ぼくはそういうニュースは案外嫌いでもない)。この手の走りはI.F. Stoneというおじさんが自分でマガジンを出版していたことにはじまるらしく、いまではDemocracy Now!などが有名なようだ。まあ、英語わからんから無理なのだけどさ。

 

(ここで書いた文の一部は、ぼくが提出した授業レポの引用だす)

偕楽苑

実家で1泊する機会があった。

郷里の盛岡市は、車で30分圏内に温泉が百近く点在している。両親は週末、連れ立ってあちこちの温泉に通っているようで、僕が帰省しても、特段変わるわけでもなく温泉の話となる。

 父「お前は、サウナが好きだったな」

 わ「はい。」

 母「帰りにユニクロに寄りたい」

 わ「それは嫌だ」

 ・・・

行き先はわからないが、車に乗って出発する。

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(年々降雪量は減少しているらしい。暇なので写真を。)

 

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(基本的に、四方を山に囲まれた田舎。落ち着く)

 

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雫石川が凍結している。川向こうには岩手山が望めるはずだが、生憎の雲模様だった。)

 

30分ほど走ると、目的地に到着。鶯宿温泉偕楽苑だ。

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 父「ふるさと納税で、鶯宿温泉のどこかのホテルを貸切にできるらしい。」

 母「ふーん」

 父「100万円以上で」

 母「げ」

 わ「・・・(平和だ)」

 

靴を脱いで、入浴料600円を払う。浴室の広さは、大きめの銭湯くらい。久しぶりの温泉だ。大浴場の他に、露天風呂とサウナが。サウナが。あった・・・。

 湯船と露天を行き来し、しっとり汗を掻く。サウナの扉を開けてみる。3〜4人が座ればいっぱいの、コンパクトなサウナだ。室温は85~90℃くらいかしら。湿度は低いけれども、ただただ静かで心地よい。

 とりあえず五分砂時計2回分を堪能。サウナ室から退室し、水風呂を探すも・・・無し。(一応、手桶で掬えるように小さく水が溜めてある。)

 

 正直なところ、水風呂が無いサウナは、餡子の入っていないどら焼きみたなもので(失礼)。だがここは岩手。外気はマイナス10度近い。

 外に出て浴槽の縁に腰をかけると、身体から湯気がもくもくと沸き立つ。

 からりと晴れていい天気だ。風もなく、木立が静かに佇んでいる。

 視線を降ろすと、露天風呂の水面が揺れている。夕暮れ前の日差しが反射して綺麗だ。気持ちはどんどん嫋やかになってゆく。

 

 水風呂が無くても、サウナって気持ちいいんだ。(まったくもってサウナってやつは、どこまで魅力的なんだ)