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ぬまのつぐみ

おもにサウナで気持ちよくなったことを自慢するブログです

ユーランド鶴見

サウナ 春心

とうとうシングルに挑戦する日がやってきた。シングルは一桁温度の水風呂だ。

極冷の水風呂に浸かりに、神奈川県は川崎までのこのこやってきたのだった。

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川崎は5年前の出張以来。あまり縁が無い土地だが、SOTさんのおかげで、関東にシングルがあることを知る。

 

JR駅からバスに乗り、目的地を目指す。

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僕のような田舎者からすると、神奈川県は都会全開のイメージだが、川崎は地方都市的な風情を残している。

車窓を覗いていたら10分ちょいで到着。ユーランド鶴見だ。

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受付で「初めてです」と告げると、やさしく解説してくれた。90分入場とタオルセットで1000円也。(館内はおじさんのカラオケが鳴り響き、職員とおばあさんが親しげに立ち話をしている。)

 浴場に入ると、平日昼間だからだろう、客層の平均年齢は70歳近い。(完全に浮いとる・・・昼間からぷらぷらしてる若者だと思われる・・・実際そうだけど・・・)。つくりとしては、よくあるスーパー銭湯。身体を洗い湯船で軽く汗を掻く。

 

 まずはサウナ前に、お目当の水風呂へ行く。9.5℃の表示。(ま、正直あんま変わらんだろ・・・)と思って足を入れる。浴槽の奥へ行こうと水の中を歩くと、足が痛い。とにかく痛い。(だめだ、歩けねぇ)。「はいー」と声に出しながら腰を下ろし、勢いで肩まで浸かる。呼吸を整える。10秒しか入れなかったが、腰も気道もキンキンだ。

 サウナ室を開けると、これまたすごい熱気。水風呂に一度入ってるのに、尻が熱くて、座るのに難儀だ。温度計は95℃を示しているが、僕の知ってる95℃ではない。しかし不思議と苦しさは感じず、ぼたぼたと汗をかきながら金正男氏のニュースを眺める。

 退室し、扉横の打たせ湯で汗を流してから水風呂へ。ここから本領だ。水風呂へ一気に入り、後頭部まで浸して脱力・・・できない。浅い呼吸で、身体を慣らす。水風呂の中に座ること以外、なにも考えられない。なんとか土左衛門化すると、すでに目の前が焦点合わなくなってきた。いかん。

 外気スペースに脱出。ベンチに座り、力を抜いた瞬間に身体がぐったりと椅子と同化する。目も閉じれず。一ミリも動けず。(やだ・・・なにこれ・・・これすごい・・・)

 一往復で昇天してしまったが、再びサウナ室へ。まだまだ、もっとすごい世界が待ってるのでは無いか、と期待せざるをえない。あっついサウナ室は、自然と思考が無になるものだけど、その状態を維持するのは努力が必要になる(追1)。というか、そうしないとこの部屋で長く座れない。

 粘りに粘って、シングルへ突入。ここまでくると、なにがなにやらわからない。自分の身体がただ重いだけになる。よたよたと外気浴スペースへ。目を閉じるも、半眼にしかならず。

 

 ああ、これは、すごい世界だ。

 

***********

帰りは演歌のかかる送迎バスで鶴見駅まで送ってもらう。

ユーランド鶴見は、シングルが注目されていたが、かなり熱いサウナとセットだからこその大昇天なんだろう。

一見するとおじいさんおばあさんの平和な健康ランドだが、どこかのサウナーが書いていた「泣く子も黙る健康ランド、ユーランド鶴見」というフレーズは本当だった。

 

(追1)高温サウナは「何も考えない」状態になるのは簡単だが、「何も考えない」を維持するのは他所と同じで難しい。こういうときよく思い出すのだが、大学時代にやった座禅の授業で住職が言っていたことを実践すると、暑さも気にならなくなる。

 少しだけ書かせてもらうと、あの授業は僕の大学で最も価値のある授業の一つだった。講師は曹洞宗藤田一照先生で、他の禅体験と異なり、とてもわかりやすくレクチャーを施してくれた。先生自身、東大大学院の哲学科を中退して禅の道に入った方でもあり、教えるのが上手だったのだろう。最初は、簡単なレクリエーションで身体の力を抜く方法だった。これだけで1日使った。次のステップは脱力のなかで身体のバランスをとる方法だった。これは骨格と頭の重さ、筋肉の重さを意識することだった(と覚えている)。最後は禅の実践だった。そこまでで教えてもらった身体の認識を意識しながら、正しく座ろうとしているだけで数時間があっという間に過ぎた。

先生「本当はここからが本番なんだよね。なんで座らなきゃいけないんだろう、とか、自分はどうしてこんなことを始めたんだろう、と考えはじめてからなんだ」

と、小柄な先生がニコニコと喋る姿は未だに思い出される。

 この先生なら通いたいなあ、と思ったが、当時はアメリカのお寺に居たので会う機会も無く。先生の著書を購入して、サインして貰うくらいしか爪痕を残す方法が思いつかなかった(なんとも貧しい脳みそだ)。あれから禅に興味をもち、何度か経験してみたが、藤田先生が一番感動したなあ。(と思って久しぶりにググったら、日本でいろいろ活動されているようです)

 話は戻るが、まあ、正直サウナと禅を結びつけると怒る人も多そうだけど、しかしあの暑い空間で綺麗な気持ちを保つならば、少しは似通ったところもあるのでは無いかしらん、と思うのですよ。気持ちを綺麗にしたくて通っているわけですし。

 それで、暑ければ暑いほど、意識を集中する本気具合も必要になってくるわけで。そういう意味で、ユーランド鶴見のサウナは、一つの自分との戦いだった。

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