この日は急な私用で、愛知県は半田市へ向かう。
JR武豊線の半田駅は日本最古の跨線橋(線路を跨ぐ通路)が残っていて、明治のものらしい。駅舎全体が古く、色合いも含めて、おもちゃみたいなかわいい造りだ。1月の愛知はまったく寒く無く、上着なしで歩けるポカポカ陽気だった。海も近いため、沿岸独特の空気が漂う。
(写真が下手だけど)
半田といえば酢のにおいが充満する町だった。江戸の頃より、ミツカン本社とその工場が半田にあったからだ。最近は工場を移してしまったようで、すっかり酢の臭いが無くなってしまった。・・・知多半島の街並みを堪能しながら、親戚方に合流。なかには十数年ぶりに会う叔父さんなども居て、すこし緊張した。
夕刻に用事が済んで親戚と解散し、ひとり栄へと向かう。お目当てはふたつ。ひとつはウェルビー栄だ:
(まだ門松が飾ってあった)
ここの、「森のサウナ」は、最高のサウナです。
もう、なんといいますか。私のような若輩者が書き記すのもおこがましいのですが、こちらの森のサウナは是非いちど、経験していただきたいです。本場フィンランドのサウナには行ったことがないのだけれど、フィンランド式サウナを忠実に再現したものらしく、コテージのような8畳ほどのサウナが「森のサウナ」。
薄暗い落ち着く照明。テレビはもちろん設置されておらず、静謐な空間が保たれている。腰をかける椅子は3段。最上段では頭が天井に接するかどうかで、熱気を無駄にしない。またセルフロウリュが可能で、その強輻射熱によって、ストーブ型とは異なる肌への加熱が味わえる。一歩間違えれば呼吸すら難しいのだが、自然と苦しくない。
さらに、ヴィヒタが「これでもか」と置かれていて、白樺の香りが充満している。出入り口の扉は、下部20cmほどが切り取られているため、換気扇に頼らない換気が行われる。
新鮮な空気に森の香り。電源ではない優しいサウナストーン。時間が止まったような空間だ。ぼくは、ここのサウナが大好きだ。
さらには水風呂も15℃ほどで、胸までの水深。(こんな贅沢が許されて良いのだろうか)。二往復してリクライニングに腰掛けると、即刻頭が真っ白になってしまう。体が浮いているよう。ゆっくり頭の向きを変えると、頭蓋の重さを感じる。なにも聞こえなくなっていく。
・・・1時間しか滞在を許されなかったため、泣く泣く退店。栄の二つ目の目的は、ウェルビーから歩いて1分、珈琲屋のびぎんだ:
大学生の時に「ガガーン」とショックを受けてからファンなのだけれど、珈琲豆ってこんなに味濃いの?ってくらい濃厚でチョコレートみたい。伝わりにくいかもしれないんですが:
(左が"びぎん"の豆で、色が濃くて少し脂っぽいです。ちなみに右のも紅茶みたいで美味しいよ)
もちろん下手くそな俺が淹れても味が違います。びぎんのおっちゃん、ありがとう。