ぬまのつぐみ

おもにサウナで気持ちよくなったことを自慢するブログです

サウナセンター大泉

漫画家のタナカカツキ氏は、自身の漫画「サ道」の中で次のように語っている:

 ーサウナは副作用のないドラッグだという人がいるが

  サウナには強烈な依存という副作用があると思う

www.moae.jp

(上記リンクの講談社ウェブサイトで、「サ道」第1話が読めます)

 

 

ようやく、ようやっと、サウナへ行くことができた。

 その日は秋葉原にて、Kっちゃんと自棄酒を喰らっていた。途中彼がトイレに立った際に、ふと思い悩む。「終電で帰ろうか、サウナに泊まろうか」・・・5秒ほど思案した末、其の下心のために終電を見送り、二人分のロックグラスをオーダーする。2:00頃に別れてから彼はタクシーで自宅へ、僕は酔い醒ましに歩いて入谷へ。

 深夜の幹線道路は人通りが少なく、酔っ払いかホームレスとすれ違いながらトボトボ歩く。20分ほど経って後悔しはじめた頃に、4号線から言問通りへ折れ曲がる。するとぼくの酔った足取りでも、少し早足に。入谷駅を過ぎた一つ目の交差点を右に向けば、今宵の目的地。

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感動して写真を撮り、入り口のガンダムさんに「久しぶりっす」とすれ違いながら靴を脱ぐ。ようやく足が解放された。革靴はいくつになっても疲れる。

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ザクが居るのは稲荷町店だったかしらん、なんどと考えながら宿泊料3000円を払う。下駄箱を見る限りお客さんは疎ら。館内着に着替えて、エレベーターで6階の浴室へ。脱衣所の棚は空。貸切だ。

 じっくり身体を洗い、湯船で軽く汗を流す。サッと水風呂に浸かってからサウナに入って腰を据える。じわ、じわと体が火照り始めた頃から、単純なことしか考えられなくなってくる。ぼくは、この時間が案外好きだったりする。

 サウナが好きになり始めた頃は、水風呂のためだけにサウナに入っていた。しかしながら、サウナでじっと座っているときはその暑さのためか、物事を単純に考えるのに適した環境だとのちのち気付くことができた。そして僕の場合、その多くはポジティブ思考が噴出する。現実の問題はなにも解決するわけではないのだけれど、少なくとも、その時間は自分を許せる。

 あっという間に10分くらい経って、汗を流してから水風呂へ。久しぶりなので、腹に力を入れて肩まで浸かる。(浴室には僕だけだ。)「あ"ぁぁ〜」と声が漏れる。何も考えられない。椅子に座って、心臓がバクバクいってる音だけ聞いておく。心臓が落ち着いてくると、身体の感覚がなくなってくる。(この瞬間を、ずっと待ち望んでいた。)

 結局3往復で満足してしまい、その後はレストルームで熟睡した。サウナに入れて、ぼくは束の間幸せだった。